ミシェル・ゴンドリー再考。その1


ディレクターズ・レーベルの「ミシェル・ゴンドリーBEST SELECTION」は発売直後に購入していたのですが、PVをザッとしか観ていなかったので、他に収録されている短編集なども観ました


お目当ては「Peacan Pie」。「エターナル・サンシャイン」で、ジム・キャリーが過去の記憶を遡るシーンがあって、フラッシュバックとして文字通り走馬灯のようにベッドで寝ている彼の周りを過去の色々なシーンが駆け抜け過ぎ去って行くのですが、このシーンっていうのが実際に四輪の自動車にベッドを設置し、キャリーを寝かせて走らせているという超アナログな仕掛け(笑)。この延長、お遊びで「ベッド付きの車でパジャマを着てスタンドにガソリンを入れに行く」という様をビデオ撮りした一発ギャグの短編なのです(画像参照)
この短編を観ると、いかに「エターナル〜」でのキャリーの演出が抑制されていたものかよくわかります。だっていつもノリノリのジム・キャリーだから。ゴンドリーはカメラが回っていない素の「OFF状態のキャリー」の地味さを買って役をお願いしたそうですが、それでも実際に撮影に入ると「ハイテンション・キャリー」を全力でやってしまうので、かなり困ったのだとか。なので、わざと変な演出をつけて「・・・?それは何かオカシイんじゃないの?」と素の彼が顔を覗かせた時にすかさず「ソレ!その感じで台詞を言ってみて!」と非常に回りくどい演出をしていたんだとか。その苦労の演出の甲斐あってか、「エターナル〜」ではジム・キャリーの新たな一面を引き出すことに成功していると思います。
その2へ続く…