JLoの喧嘩プロフェッショナル!(c id:samurai_kung_fuさん)

usherの既発曲の盗作疑惑で騒がしいジェニファー・オケツロペスの「get right」ですが、メイシオ・パーカーの「soul power'74」をサンプリングしたという露骨過ぎるループが頭から離れない今日この頃です。という訳で、JLoがマイブームの勢いに乗って以前id:frankoさんから頂いた「イナフ」のビデオをやっと観ました。

いやぁ〜話には聞いてたけど、コレ凄いっす!
まず、異様な展開の速さ。簡単にあらすじを説明致しますと「結婚した男が実はDV男だった」って話なんですけど、
「男と出会う→結婚→出産→夫が浮気→それで口論、Jlo殴られる!→ダメだわ、もう夫から逃げるしかない!」
これだけの出来事が約30分で綴られます。驚異的なアテンションスパンの短さ!そう、私は真っ先に「Deep Love劇場版」を思い出しました感想)。どのくらいのスパンかと言えば、物語はJLoがウェイトレスとして働いているとこから始まって男と出会い、次のシーンではもう結婚式!そして矢継ぎ早に上記のシークエンスが繰り出されていきます。話の分岐点でJloが迫られる選択はつねに「to be!or not to be!」と言った二択しかなく、まるで後ろで振付師が手を叩きながら「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」と煽っているようです。その後も「Jloの居場所を執拗に探索するDV夫の知人に警察関係者が」とか「DV夫から逃げ、無一文で困っていたら『そうだ、アタシの産みの親が金持ちじゃん』」とか、後付イズムに終始し、最終的に黒人のトレーナーを雇ったJLoは喧嘩殺法でDV夫を「ヤッチマイナ!」することを決意する、という怒涛の展開を繰り広げます。
これがテレビの二時間ドラマだったら、ちっとも驚かない、というか量産されていても何の不思議もありませんがid:throwSさんに振ってみるリファ!)、ジェニファー・ロペスという知名度もそこそこの人が主演で、脇を固めるのはジュリエット・ルイス(今回も当然上手い)で、監督を務めるのは007シリーズでもメガホンを取ったことのあるマイケル・アプテッド、そして本作で脚本を書いてるのはエリア・カザンの息子ですよ!(つっても微妙な経歴ですけど…
そういった「それなりの面子」を揃えておきながら、どうしてこういった怪作が生まれてしまうのか?!「イナフ」はハリウッドの闇の底知れない深さを再確認することが出来る作品と言えるでしょう…。
追記:id:gotanda6さんが、このエントリで「もうだまされない慣用句」っていうのを紹介していらっしゃいますが、「イナフ」のパッケージで発見した「衝撃の結末!」映画の謳い文句でよくありますよね。でもコレって、衝撃でも何でも無いオチの場合と、予想を遥かに越えるトンデモ系の「え〜〜〜〜〜!」っていうオチ、2種類がありますよね
私的トンデモ系オチ映画

隣人は静かに笑う [DVD] フレイルティー -妄執-スペシャル・コメンタリー・エディション [DVD]  ドニー・ダーコ [DVD] オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD] マトリックス レボリューションズ 特別版〈2枚組〉 [DVD] 

あ、最後のは一応オチです。