「恋の門」を観ました。

どうでもイイような場面をこれ見よがしに強調してカットを畳み掛けるように見せる所など、最近邦画に顕著な下妻物語的な流れの語り口なのですが、その内実、描かれているのは「作家性と芸術性の両立、あるいは恋愛と喰って生きていく為の仕事、趣味を含んだ仕事、あるいはそれらを含んだ生活面と、そんなにどれもこれも器用に並立でけるかぁ!!」というソウルスクリーム的な熱い映画だったように思います。漫画を描く過程における「(漫画に限らず)制作過程のランナーズ・ハイ」である「気持ちイイ〜〜〜!!!」という状態は、恐らく洋邦含め映画史上で初めてキチンと描かれたのではないか、という気がします。非常に好感を持ちました。モノ作りの仕事に携わる全ての人は「恋の門」を観たら良いと思います。
酒井若菜の「だってだって仕方ないじゃん買わない訳にはいかないのアタシ病気なの」と早口でまくし立てるシーンとか、松田龍平の「え〜〜〜〜〜」という言い方だとか、小島聖の使い方だとか、セットや衣装においての「デティールの鬼!」という側面も含め(舞台出身故か?)第一回監督作でコレ、っていうのは松尾スズキって相当才気溢れる人なのではないか?と思います。侍クンフーさんも仰ってますが、松尾スズキとジョセフ・カーンはドンドン映画を撮ったらヨロシ