真似ジャケ100選 7

俗悪
PANTERA 『VULGAR DISPLAY OF POWER』(試聴 left
HOUSE OF PAIN 『SAME AS IT EVER WAS』 right
こうやって並べると「喧嘩のシーンを結果だけで見せる」という手法が画期的だった大友克洋のコマ割りのようですね。片や現在のへヴィロックの礎を築いたとも言えるメタル/ハードコア畑のパンテラ、片や「プィープィー」というギターフレーズのサンプリングで一時代を築いた元祖ソウルアサシンズサウンドのハウス・オブ・ペインです。2枚共、私の音楽人生においてクッキリ爪跡を残している重要なアルバムです。が、悲しいことに両グループ共に現在は解散してしまっています
両アルバムの特徴を挙げるなら、「VULGAR〜」はリフの構造が鬼!「SAME〜」はエヴァーラストのラップがドス利かせ過ぎで怖過ぎ!といった所でしょうか。正に両方のジャケットが示すように、人生の色々な局面において「戦に備える」といったシチュエイションで無性に聴きたくなる、過剰なアグレッションに満ちたアルバムと言えるでしょう
追記1 今、上記のハウス・オブ・ペインのアルバムを聴き直して思うことがあったので追記。一般的にジャズネタの代表作というとコレが挙げられると思うのですが、「SAME〜」の場合はそのコインの裏表というか、「LOW END〜」にレペゼンされるジャズのクールさではなく、猥雑さというか場末の酒場感というか、そうしたジャズのオルタナティヴな側面である裏街道の臭いが強く感じらる、どうしようもなく「漢」なアルバムだと思います。アイリッシュだしね、この人達…(DJ LETHALはその一方で「ある愛の詩」サントラからネタを拾ってくるような繊細さもあり)。
追記2 パンテラのVoフィリップ・アンセルモがBURRN!の表紙を飾った時の話。スタッフが「柔道着を着て欲しい」と頼んだ所「武道のことをろくに知らない自分が着るのは侮辱に値するので、そうした服は着ることが出来ない」と頑なに拒否していたそうですが、「ロブ・ハルフォードは着てくれましたよ」と耳打ちすると「ホント?」と心変わり。かくして彼は日本が世界に誇るHR/HM専門誌の表紙に柔道着を着て登場することとなったのです(くやしいけどその画像が見つかりませんでした!)