「セックス調査団」を観ました。
詩人アンドレ・ブルトンの「性に関する探求」を元に、「あれはこうして書かれたのではなかんべ?」という制作過程を想定してみよう、という映画です。
舞台は1929年アメリカのとある富豪の屋敷。言い出しっぺの学者をホストに、小説家、画家、映画監督etc…といった富豪お抱えの胡散臭い面々を迎えて「セックスとはなんぞや?」という討論が日々交わされてゆきます。その討論の場に速記係として雇われた2人の女性と発起人である学者、それぞれの心情の微妙な変化を柱にして物語は進行します。
「セックス調査団」なんていうタイトルだけを聞くと「♪おっおっ!オレたちゃセックス!ちょ〜うさだ〜ん…」とか歌いだしそうな感じですが、内容と言えば早い話が屋敷で下ネタ談義に終始しているだけで、(ある程度の予想通り)結論らしい明確な結論も出ずじまいです。これでは邦題に釣られてきた人が出口調査で「オレの『セックス調査団』じゃない!!」と怒りだしかねないし、邦題はもうちょい練るべきでしたねぇ(原題は「Investigating Sex」)。
ですが、役者がみな非常に素晴らしく、アラン・カミング(画像の人)、ネーヴ・キャンベル、ジェレミー・デイヴィス、ティル・シュヴァイガーなどなど面白顔の人たちが「あ〜でもね〜こ〜でもね〜車もそれほど走ってねぇ」と話す様は、セックスコメディというより群像劇・会話劇として私は楽しんで観ることができました。ロバート・アルトマンとか好きな人にはオススメしたい作品です*1。
*1:監督はアラン・ルドルフなんですが、この人ってアルトマン組で助監をしてたんですね!