Take You To The 蹴球「ルドandクルシ」


予告編の売り方だと「ボンクラ兄弟が織り成すハチャメチャ珍道中!」みたいな感じで、「ああ、また田舎のアンクールがクールみたいなヤツか…そういうのもうお腹一杯だな……」と思っていたら、いざ蓋を開けてみてビックリ。良い意味で期待を裏切る、地に足が着いた2時間ドラマ(褒めてる)で、悲喜交々の人間交差点、といった内容の佳作でした。
思えば、本作の監督であるカルロス・キュアロン(アルフォンソの弟)が脚本を手がけた「天国の口、終りの楽園。」も、「人妻とヤりまくり旅行だぜヒャッホウ!!」みたいなロードムービーかと思えば、終幕の余韻はズッシリと重く印象深いものだったし、本作も山師っぽいプロモーターが語り部となり、色々と興味深いナレーションを差し込んでくれます。
ラテン系のノリ、と一言で片付けるのは何か嫌なのですが、サッカーチームのレギュラーに昇格したご褒美に買ってもらった新居で大はしゃぎするとか、兄弟で故郷に錦を飾るべく帰郷した時の地元住民の歓迎ぶりとかサッカーの勝ち負けに一喜一憂する様とか、恋人に振られて激昂してホテルで大暴れするとか、感情が剥き出しの人々がスクリーンに映し出されているのを観るのは、もうそれだけで楽しいなぁ、と思いました(こういう点では、韓国映画と近いノリがあるかも)。
弟:クルシを演じるガエル君(↑画像左)の頭の大きさに「日本人みたいだなぁ」と思ってボーっとみていれば、リラックスしすぎなのか短パンの上からチンチンいじってるのも自然で良かったし、兄:ルドを演じるディエゴ・ルナ(画像右)も「ミルク」で見せたメンヘルなカワイ子ちゃんとは180度ぐらい違うヤンキーみたいな感じで(前髪がバブル期のギバちゃんのようにピンと跳ねてる)気丈に振舞ってるけどメンタル面が弱い男、っていうのを上手く演じていて、でもってやっぱりチンチンいじってるのが自然で良かったです。
南米のサッカー事情のことがよくわからない自分が観て楽しめたのだから、サッカー好きの人には結構たまらない映画なんじゃないかと思いました。

←『天国の口、終りの楽園。

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